遊城十代は人生そのものである 第4期

4期:十代の成すべきこと、そしてたどり着いた果て

 

1期編はこちら↓

https://pikadango-key.hatenablog.com/entry/2021/02/22/175153

 

2期編はこちら↓

https://pikadango-key.hatenablog.com/entry/2021/02/22/175213

 

3期編はこちら↓

https://pikadango-key.hatenablog.com/entry/2022/03/27/225353

 

4期はGX全180話のうち、156話の皆が異世界から帰ってきたところから始まります。つまり、4期はアニメで換算してわずか2クールでエピソードが完結します。しかし私ぴかだんごはGXの中で4期が最も好きです。なぜならこのわずか24話の中で「卒業後の進路」「果たすべき責任」「最後に思い出すべき大切なもの」といった各要素がしっかりと描かれているからです。

さて、3期にてユベルと融合を果たした十代は、2期にて対峙した破滅の光をユベルと共に戦い抜き(作中描写なし)アカデミアに帰ってきました。その姿がこちら。

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目つきが鋭くなり、体つきが少し中性的になりました。はっきり言ってめちゃくちゃイケメンです。カッコいいぜ……!

そして本編ですが、1期において登場した「ダークネス」が「ミスターT」なるデュエリストを名乗り、十代と対決します。十代はダークネスが出現した原因が自分にあると考え、島を去ろうとしますがここで2期ラスボスの斎王が1期ラスボスの影丸と共にアカデミアに再訪し、十代にある事実を伝えます。

斎王「啓示だよ。虫の知らせというやつだ。私は既に未来を見通す力を失っている。だが、それでも巡ってきた啓示を確かめるべく、私は急遽、影丸会長に連絡をとり、何が起きようとしているのか調査してもらった。」

影丸「斎王くんから連絡をもらい私も驚いた。なぜなら私も彼と同じように虫の知らせを感じていたからだ。十代くん、キミも同じではないのかな?」「私の調査チームが、この島に何らかのエネルギーが噴出していることを突き止めた。それは、地盤の歪みから地震が発生するような、いわば自然現象のような巨大な力だ。」

斎王「あくまで仮説だが、影丸会長の三幻魔の復活、私の光の波動の一件、そしてキミのユベルの事件。これらが複合的に、この島を中心とした次元に負荷をかけ、新たな事態を起こそうとしている。だからこそ、我ら3人に啓示があったのだ。今キミが去ろうと、やがてこの島にくる事態が消えることは無い。」

影丸「これは、我々がデュエルモンスターズを悪用した報いなのかもしれぬ。十代くん、キミにこの事態を収拾して欲しい。」(TURN-158 さらばデュエルアカデミア!十代の選ぶ道)

そう、4期は今までのGXで描かれた各エピソードの集大成となっているのです。そして十代は、この事態を何とかするべくダークネスと本格的に戦い始めます。途中3期で覇王と化した自分を救ってくれたオブライエンから救援要請を頼まれて初代デュエルモンスターズの舞台である童実野町まで出向いたり、ダークネスの影響でカードが汚染されたところをヨハンに助けて貰ったりと色々ありましたが、アカデミアに帰還し4期ラスボスである「ダークネス」と戦います。

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ダークネス「我こそがダークネス。もうひとつの真実。もうひとつの世界そのもの。」

このダークネス、世界が1枚のカードから生まれたとされているデュエルモンスターズ世界において、裏面に位置する存在とされています。そして人間が心の闇を少しでも抱えている限り、水が高いところから低いところに流れていくのと同じく自分が出現するのは自然なことと述べています。つまり、根源的にダークネスを排除するのは不可能というとんでもない存在です。また、出現と同時に「汝以外に我と対峙するものはいない」と言っていることから、十代を除く全人類をダークネスの世界に取り込んでいるといえます。スケールがデカい……

十代はデュエルでダークネスの操るコンボに苦しめられたりユベルのコントロールを奪われたりしますが、ユベルとネオスを「超融合」で融合し、形勢を逆転させます。最後は全てのネオスペーシアンとネオスをコンタクト融合させた「E・HERO ゴッド・ネオス」でダークネスのモンスターを真っ向から打ち破り、デュエルに勝利します。

余談ですが、このデュエル中において十代がダークネスに囚われたデュエリストたちに対して伝えたセリフがものすごく良くて、オフィシャルカードゲームを遊んでいる全てのデュエリストたちに知ってもらいたいと個人的に考えています。

十代「みんな!聞こえるか!オレの声が届いているか!見るんだ!お前たちが握ったカードを!たった1枚でいい。きっとそこにあるはずだ。そのカードを使って、色んなやつと戦った記憶が。最初は何の変哲もないただのカードだったはずだ。それが、誰かと戦う度に戦うやつと分かち合う喜びや悲しみ、怒りや憎しみ、その記憶がカードには染み込んでいく。それは、お前たちが頑張ってきた歴史なんだ!それこそが絆なんだ!だから信じろよ。自分たちのカードを。思い出せよ!そのカードで戦ったヤツらの顔を!そいつらこそが本当の仲間さ!辛くなった時、オレたちの未来を支えてくれる。カードを信じる限り、いつだってひとりなんかじゃない。未来に絶望なんてするな!オレたちはまだ何もやり遂げちゃいないじゃないか!」(TURN-178 最後の希望!遊城十代)

 

十代はダークネスを撃破し、卒業式に出席したのちアカデミアを去ろうとします。そんな中、とあるデュエリストが十代に声をかけます。

???「待っていたよ。遊城十代くん。」

十代「はっ……あなたは……」

???「さぁ……始めようか。ボクたちの本当の卒業デュエルを。」

十代「本当の卒業デュエル……?」

???「そう。ボクが3年前キミに渡したカード。キミがそれを持つのに相応しいデュエリストに成長したかを試す。」「キミはこの3年間で、とても強くなった。そしていくつもの試練を乗り越え、頼もしい大人に成長した。けれど、そのために失ったものもある。」

十代「失ったもの……?」

???「そう。キミ自信が気づいていない、大切なもの。キミはそれを取り戻さなければならない。」(TURN-179 さよなら十代!涙の卒業式)

十代は過去の童実野町に飛ばされます(恐らく時系列的には遊戯さんがバトルシティを優勝したあたり)。

そして巡り会ったのが、かつてハネクリボーを十代に託した武藤遊戯。十代は遊戯さんにデュエルを申し込みます。

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デュエルはほぼ互角。ブラック・マジシャンを操る遊戯さんに対してネオスをぶつけ合い、その後先にライフを減らしたのは十代。ここからも十代の成長が見て取れます。しかし、途中遊戯さんの千年パズルが輝きだします。「来るぞ。キングオブデュエリストに眠るもうひとつの魂が。」とユベルに警告されたのもつかの間、遊戯さんはアテムに交代します。そしてカード効果でなんとあの神のカード「オシリスの天空竜」を呼び出します。f:id:pikadango_key:20220704210607j:image

アテム「十代くん。キミほどのデュエリストならその相手は神こそが相応しい!」

十代(遊戯さん……オレは忘れない。あなたがオレに贈ってくれた最高の贈り物、最高の時間。)

「ええ……望むところですよ!こんな相手と戦えるなんて、超ワクワクするぜ!」

(オレは、あなたのおかげで取り戻せた。オレが知らない間に失っていたもの。どんな大人になろうと、決して忘れてはいけないもの。)

「いくぞ!ネオス!」

(どんなことがあっても忘れない。どんな時でも、素直にデュエルを楽しむ気持ちを!)

「遊戯さん……オレはもっと強くなる……その時はきっとまた……ありがとう、遊戯さん!ガッチャ!」(TURN-180 真の卒業デュエル!十代VS伝説のデュエリスト)

 

以上が、遊戯王デュエルモンスターズGXです!遊城十代の歩んできた道のり、そして私が題名とした「遊城十代は人生そのものである」の意味が理解頂けたでしょうか。特にダークネスでの言葉や遊戯さんとのデュエルで思い出した初心は、ひとりの人間として、ひとりのデュエリストとして、とても大切なことだと思います。ぜひ皆さんもこれらの記事をきっかけにGX、ひいては遊城十代への見方が変わってくれるといいなと思います。

長くなりましたが、お読み下さりありがとうございました!