遊城十代は人生そのものである 第1期

[はじめに]

はじめましての方ははじめまして。Twitterでは「ぴかだんご(Twitterアカウント:pikadango_WUYH)」というユーザーネームを名乗り、十代やGXなどについて語ったり、十代のキャラクターデッキを構築したり、趣味について好き勝手語ったりといった活動をしている者です。

既に僕をご存知の方はわざわざこの記事を拝見してくださり本当にありがとうございます。

 

さて、早速ですが皆さんに質問です。

 

あなたにとって「人生」とは何ですか?また、どのような人生を歩んできましたか?今はどんな人生ですか?

 

きっと、色々な答えが浮かんでくると思います。

生きることが楽しくて仕方がない人、推しコンテンツを糧にして日々を過ごす人もいるでしょう。生きることが辛くてしんどい人、仕事や病気で大変な思いをしている人もいるでしょう。人生は人それぞれ、全く同じ人生を歩んでいる人はいません。

ですが「人生」には万人に共通するものがあります。それは上下の波があり、常に変動しているということです。

具体的に言うと楽しい時もあれば、辛い時もあるということ。当たり前のことだろう、と思うでしょうが、割と忘れがちなことです。楽しい時は辛い時のことなど考えないでしょうし、その逆も然り。僕も生きることが楽しい時期があり、生きることが辛くてしんどい時期があり、そのような波があることが「人生」なんだと経験しています。

では前置きはこのくらいにして、本題に入ります。

 

遊城十代は人生そのものである」

 

[遊城十代とは]

既知の方もいらっしゃると思いますが、今回話題にさせて頂く「遊城十代」というキャラクターについて軽く説明します。

遊城十代とは、2004年から2008年の間に放送された全180話の番組『遊戯王デュエルモンスターズGX(以下GX)』の主人公です。

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明るく前向きな性格で、どんな時でもデュエル(遊戯王オフィシャルカードゲームのカードを用いて戦うこと)を楽しむことを信条としています。GXは「デュエルアカデミア」と呼ばれる学園を舞台としたいわゆる学園生活ものの物語であり、十代は高等部の編入試験の結果アカデミアの中でも落ちこぼれの集まるオシリスレッドに配属されることになります(アカデミアでは3つの寮が存在し、オベリスクブルー、ラーイエロー、オシリスレッドの順番で実力のヒエラルキーが構成されています。その中でもレッドは最下層、他の寮から見下されています)。そんな境遇の中でも本人はレッドに配属されたことを全く気にせず、デュエルの実力はオベリスクブルーの生徒とも互角以上に渡り合えるほど1年生の中でもトップレベル。なおかつどんな状況でもデュエルを楽しみ勝負を諦めない姿勢は周囲の生徒に大きな影響を与え、他の寮の生徒からも一目置かれるほどの存在となります。また、本人はデュエルモンスターズのカードの精霊が見え意思疎通ができるという特殊な能力があり、前作主人公である武藤遊戯から譲り受けたカード「ハネクリボー」を「相棒」と呼んでいます。

ここまでの解説を見ると、明るくて周りを巻き込んでいく主人公、ヒーローに相応しい性質を持つ人物だということがわかります。また、十代はデュエルの中ではE・HERO(エレメンタルヒーロー)という名称のカードを愛用しており、ヒーローとしての性質がより強調されています。

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アメコミヒーローがモチーフの個性豊かなHEROです

 

ですが、GXで描かれる十代の姿は明るくて楽しいものだけではありません。悩み、挫折し、自分の犯した罪に苦しみもがく、そんな暗い姿も描かれています。

そう、先程述べた「人生」の波が十代にはあるのです。今回は十代の明るい面と暗い面に注目して語っていきます。なお、今回の項目作成にあたってGX本編を計4期に分けていきます。1期が1年生編、2期が2年生編、3期が3年生編前半、4期が3年生編後半にあたります。当記事は1期を解説します。

 

1期:自身の信条の正しさが揺らぎ始め、悩む十代

GX1期は序盤こそアカデミアでの日常の中で様々な生徒とデュエルで交流を深め、少しずつ十代の周りに人が集い絆が紡がれていくさまが描かれるのですが、物語が進むにつれて「闇のデュエル」なるものの存在が明らかになります。通常のデュエルではお互いの思いをぶつけ合って戦うだけ(たまに試験の一科目として進級や落第をデュエルの勝敗で決めることもあります)ですが、闇のデュエルではデュエルの中で何かを賭けなくてはいけません。十代が行った闇のデュエルでは、親しい仲間の命や己の命を賭けることになりました。無論負けることは許されません。十代は勝ち続けました。そんな中で十代はひとつの悩みを抱えます。

 

「デュエルは楽しいものではなかったのか」と。

 

十代の決めゼリフに「ガッチャ!楽しいデュエルだったぜ!」というものがあります。これは十代がデュエルを終えたあと、相手にかける言葉です。常に楽しくデュエルすることが十代の信条であり、十代のモチベーションです。

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ガッチャ!

 

しかし、闇のデュエルでは仲間や己の命が勝敗に左右されます。絶対に勝たなくてはならない、負けることは許されない……いつしか十代はデュエルを楽しむ余裕を失いつつありました。

複数回の闇のデュエルを行ったあと、十代は自分に問いかけます。

 

「あれは夢なんかじゃない……そしてもしオレが負けたら、翔や隼人(十代の仲間でありルームメイト)を犠牲にしてしまうかも……」

「デュエルは楽しいものだと思っていた。オレの考えは間違っていたのかな……」

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(GX TURN-34「湯けむり旅情!青眼の白龍」)

 

その後同回にてカイバーマン(前作ライバルキャラ・海馬瀬人の生き写しのような登場人物)から「負けを恐れれば立ち止まるしかない。負けて勝て。遊城十代」と激励を受けたり、ブラック・マジシャン・ガールの精霊から励ましの気持ちのこもったデュエルをしたりして少しずつ前向きな気持ちになっていきます。

そして1期におけるラスボス、影丸理事長があやつり、その強さのあまりデュエルアカデミアに封印されていた「三幻魔」を前にしてもワクワクしながらデュエルできるほどに立ち直って対決に臨みました。

以上のようにGX1期では闇のデュエルで自分の信念が揺らぎ、理想と現実とのギャップに悩み、そして周りからの応援を受けて精一杯歩む十代の姿が見えてきます。

 

次回

2期:ヒーロー同士の戦い、はじめての挫折、そして世界を救った・救ってしまった十代

https://pikadango-key.hatenablog.com/entry/2021/02/22/175213