遊城十代は人生そのものである 番外編 時空を超えた絆編

はじめましての方ははじめまして。

遊城十代は人生そのものである」シリーズを読んでくださっている方はいつもありがとうございます。ぴかだんごです。

今回は、GX本編4期終了後に描かれた十代のエピソードである『劇場版 遊☆戯☆王 超融合!時空を超えた絆』について触れたいと思います。

何故か?1時間にも満たない尺で作られたこの映画の十代は歴代十代の集大成といっても過言ではない姿で描かれているからです。というわけで、語っていきます。

 

まず、この映画の冒頭は炎に包まれたロンドンのビル街を飛び回りながら「あぶねぇあぶねぇ」と軽口を叩きながら敵の攻撃をかわす十代の姿から始まります。ユベルと融合してから精霊の力を操れるようになったと第4期で語りましたが、身体能力が完全に人間やめてますね。そして敵の「レインボー・ドラゴン(第3期に登場したヨハンのモンスター)」の攻撃に対して「ネオスを召喚!」と言いながらネオスを実体化させ、攻撃を防ぎます。

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ちなみにこの描写はのちに「E・HERO スピリット・オブ・ネオス」というカードの効果で再現されました。

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①の「相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。このカードを守備表示で特殊召喚する。」の部分です。さらに本来のネオスのステータスならレインボー・ドラゴンとの戦闘で破壊されるところを戦闘破壊耐性付与によって再現しているという……スゴい

その後遊星(GXの次回作、遊戯王5D'sの主人公)のエースモンスター、スターダスト・ドラゴンの攻撃によって劣勢になりますが、未来からタイムスリップしてきた遊星に救われます。そこで敵が攻撃をやめ撤収し、その場はおさまります。

遊星は十代に「敵がデュエルモンスターズを抹殺することで歴史を改変しようとしている」という事情を説明し、十代に協力を求めます。十代はこれを快諾。ちなみにこの過程で遊星のデュエルディスク、D-ホイール(バイク型のデュエルディスク)について「あれは未来のデュエルディスク?」「あっ、はい。」という有名なやりとりが生まれます。

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「すげ〜、あそこまで進化するのか!」と興味津々。かつての1期のころの純粋な十代の面影が見えます。また、遊星が強力な精霊の力を宿しており、ユベルたちを見ても驚かないことに関しても言及しています。

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デュエルリンクスでVS遊星だと使われる掛け合い

そして地味にパソコンに強い十代がデータベースにアクセスし、過去の世界に歪みが生じていることを発見。それは初代デュエルモンスターズの世界でした。遊星と共に過去に向かいます。

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向かった先は初代デュエルモンスターズの舞台であり、十代もGX本編でちょくちょく足を運んでいた童実野町。最終回で対決した武藤遊戯(時系列的に十代と出会い戦う前)と合流し、遊戯、十代、遊星VS敵の正体、パラドックスとのデュエルが始まります。

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このデュエルは主人公勢(遊星→十代→遊戯→遊星)とパラドックスでそれぞれターンが渡るのですが、十代のターンになった時にGX本編で十代のデュエルでよく使われた「十代のテーマ」が流れるファンサービスがあります。そして4期終了後、つまり「どんな時でも素直にデュエルを楽しむ気持ち」を持つ十代、敵がどれほど強力なモンスターを操ろうが関係なし。ノリノリで自分のターンをはじめます。

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そして十代の代名詞「融合」を発動。遊星のモンスターと十代の象徴、ネオスを融合させ「E・HERO ネオス・ナイト」を融合召喚します。
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余談ですがネオスはGX本編で「融合」によって「E・HERO」モンスターの素材になったことは一度もありません。ある種十代の成長が伺えるシーンといえます。

ネオス・ナイトは融合素材の片割れの半分攻撃力をアップさせ、さらに2回攻撃が可能なモンスター。一気に相手の盤面を殲滅させます。

次のターンのパラドックスの反撃に対してもユベルの「よけろ十代」に「わかってるって!」と掛け合いをしつつ、罠カードで攻撃をしのぎます。一度やられたネオス・ナイトも復活させ「遊戯さんに渡すのに、フィールドがガラ空きなんてシャレにならないぜ!」と述べるほど。精神的な成長と遊戯を尊敬している気持ちが見て取れますね。

その後の遊戯のターンの反撃→パラドックスのターンの反撃と攻防が続く中、ついに十代たちのフィールドが全滅した上で相手モンスターの攻撃を迎えることに。遊星が「ダメなのか……オレたちの未来は……破滅……」とこぼす中、真っ先に口を開いたのは十代でした。「なんだよ遊星。もう諦めちまうのか?時空を超えてここまでやってきたってのに!」と励まし、速攻魔法「クリボーを呼ぶ笛」を発動。遊戯の手札に「クリボー」を加え、攻撃をしのぎます。

そして遊星のターン。全滅したモンスターたちを復活させ、十代が「ネオス・スパイラル・フォース」というモンスターの攻撃力を2倍にするカードを使用。遊戯も「ブラック・スパイラル・フォース」でさらに2倍に。遊星のスターダスト・ドラゴンの攻撃力を4倍の10000まで上昇させ、3人の連携プレイでパラドックスを無事撃破します。

パラドックス撃破後「もう行くのか?」と問う遊戯に対し「ええ……自分たちの時代でやるべき事が、まだ残ってますから」と十代は返します。遊戯は「デュエルモンスターズを信じる限り、オレたちの絆はずっと繋がっている!」と述べ、夕日の中3人で手を取り合います。

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ここで十代の出番は終了。元の時代に戻った遊星の独白で映画は締めくくられます。

以上が超融合!時空を超えた絆の内容になります。十代に注目してみると、最終回のあとの十代がどんな風にして過ごしているのか、どんな感じでデュエルをしているのかの答え合わせが出来ますね。また、使用カードも「ネオス」「融合」「ネオス・ナイト」「ヒーローバリア」「エレメンタル・ミラージュ」「融合解除(遊戯の伏せたカード)」「クリボーを呼ぶ笛」「ネオス・スパイラル・フォース」となっており、ネオスを軸としつつも融合戦術は未だに健在であることがわかります。また、これは推測ですが「クリボーを呼ぶ笛」を発動していることから、恐らく遊戯さんからもらったハネクリボーも未だにデッキに入っていることが予想されます。精霊のユベルも健在なので、ネオス、ユベル、ハネクリボーの三精霊と共に旅をしているのだろうと考えられますね。

どんな時でも素直にデュエルを楽しむ気持ちを忘れない十代の姿は、かつて心の闇に堕ち覇王となったりユベルと衝突したり様々な経験をし、大人に成長しつつも少年の心をいつまでも忘れないように思えます。また、ユベルと会話するシーンが多く見られるのもこの映画の特徴です。ユベルと完全に和解し、深い絆で結ばれていることがわかります。

1期のころの純粋さと4期のころの精霊の力を引き出す能力を操るようになった強さ、この2つが両立しているのが時空を超えた絆の十代です。冒頭でロンドンにいることから世界中を旅していると考えられますが、時空を超えた絆以降の時系列でまた十代が描かれるといいですね……

なんてことを思っていたら、デュエルリンクスでパラドックスがGXワールドに出現するイベントが最近行われました。そこで出てきたのは、なんと映画の再現をしつつ映画のアフターともいえる掛け合いをするデュエリストたちの姿です。

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映画では描かれなかった「サイバー・エンド」と「レインボー・ドラゴン」の持ち主たちが登場し、十代と掛け合いをするという……夢のような話です。しかも十代がスターダスト・ドラゴンを認知しているということは、デュエルリンクスの時系列が時空を超えた絆以降であることが確定したという事です。これからのイベントでまた新たな十代の姿を見ることができる可能性が生まれました。楽しみです……!